炎の蜃気楼 耀変黙示録 Ⅳ 神武の章 感想
一難去ってまた一難どころじゃない。四面楚歌状態です。いよいよ神対神の様相を呈してきましたね。そして徐々に真相が明らかになってきました。小太郎びいきの私は小太郎復活が嬉しかったです。横恋慕組では圧倒的に小太郎推し。
♦︎心に残ったシーン
p13
綾子
「しあわせからは…ほど遠いけど…あんたたちは後悔しないのよ…。最上の場所は…どこかにあるんじゃなくて…あんたたちのその…一歩一歩の…ことなんだわ…」
やっぱり夜叉衆が好き…!綾子さん復活して本当に良かった。一番読者に近い存在だと思う。直高に関してはずっと近くで見てきたから良く分かってるよね。こんなセリフが言えるとは流石です。
直高を応援している一読者としては、「いい加減直江を幸せにしてあげて(;o;)穏やかな時間を彼らに与えてあげて(;o;)」と思うんですが苦難続きなのはもう宿命ですね。それでも共に歩むために戦う直江が好き。直江の真髄はその強さにあるんだな。
綾子さんと言えばこのセリフも。
p53
「…なら弱い人間はどうなるの。人の心は弱くなるときもあるわ。弱い人間は奪われても自業自得?そんなのは強い人間の一方的な論理よ」
「弱くなることもできないの?いつも身構えてなきゃいけないの?みんな、ただ生きてるので精一杯よ。へとへとよ。目の前の生活だけで、いっぱいいっぱいなのに!」
もう、本当にありがとう…!
綾子さんって弱い人間に寄り添ってくれる存在で、苦しい展開の中最も共感できるスタンスです。信長や嶺次郎や兵頭、果てには高耶さんまで、すごーく今更だけど正直精神的生存者のこと全然響かなかった。闇戦国って敗者復活戦だけど、蘇っているのは強者なんですよね。だから語られるのは強者の理論であって。要約すると「弱い者は肉体だけ残して死ね!」みたいなことずっと言われてる気がして辛くなってしまった。ネガティヴで捻くれ者だから強くなれって高耶さんに言われても全然響かない。そんなに欲しいならあげるよって思ってしまう。いらなそうだけど。桑原先生はこんな若者のことを憂いていたのかな?ちょっとメッセージ性を感じます。
嶺次郎がインタビューに答えたけど、結局相容れないものが分かり合うのは不可能なのかも知れません。存在を認めることはできるけど受け入れることができるかは別問題で堂々巡りになってしまう。譲れないものを曲げることは中々難しい。現実世界でもそうですよね。
あと直江
p60
「俺は違う。挑む対象でしかないおまえとは違う。力がなくなって誰からも見向きされなくなった仰木高耶も、俺の生きる理由だ」
兵頭などが直江の代わりになれない所以ですね。2人の間には誰にも入れない、お互いが唯一無二なんですよね。
♦︎33巻つっこみどころ
・サーファーに換生した小太郎が鼻ピアスして高耶さんにキスするシーン(絵面を想像してちょっと笑った)
・煽りスキルが高すぎる高坂(一部ブーメラン)
・いつの間にか世界人口が10億増えてる!2年くらいしか経ってないはずでは…そんなに増えるのかな?
高耶さんまた連れさられちゃった…もうお約束と思えばいいのか?(´ω`)
信長の野望が分かったところで次巻へ。